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螺旋特急ロストレイルに登録しているキャラクター背後のブログです
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シェリダンは時々、「店長はムービースターなのではないか」と思うことがある。
そもそも何気なく「店長はなんていう映画に出ていたんです?」と聞いたことからしてもまさか一般市民だなんて思いもしていなかったのであるが、「僕、ムービースターじゃないよ?」と言っているのを聞いたときはハッキリ言って全く信じなかった。
ファンタジーなどで僧侶が着ているような服と長ったらしく伸ばした白い髪をゆるく三つ編みにしていて、明らかに魔道書とおぼしき本をものすごく熱中して読んでいることといい、(+怪しげな呪文やら怪しげな薬やらを作っていることといい、)なんというか一般市民として認めるには多大なる抵抗がある人物なのである。
一般市民だなんて認められるか、こんなアレな奴!みたいな不審人物なのである。
「いやぁ、君達ムービースターが来てくれてホントに助かったよ。大っぴらに魔術の研究しててもちょっと引かれるだけで済むし、情報提供してくれる人までいるし、ちょっとやりすぎてもムービースターならそのくらい出来てもおかしくないって勘違いしてくれるし、ヴァティカンに通報されないし」
絶対ムービースターだと思うのだ。
これがエキストラだとか、冗談にも程がある。
「妄想は映画の中だけにしておいた方が賢明かと思われますが」
「やだな、僕はエキストラ、この世界の住人だって。大体魔術なんて、そもそも表に出ないだけで昔は結構流行ってたんだからさ」
「店長・・・」
「え、何その可哀相な人を見る目?本当の話だよ。今でも素質がある人は結構いるしね。ただ、「使い方」を知らないから、他人より物の感じ方がちょっと違うとか、見てる物がちょっと違うとかで終わっちゃってるけど」
「・・・・・・・・」
「別に無理に信じようとしなくてもいいけどね。魔術師の言うことは信じちゃいけないって言うし
「・・・・・・・・」
なおさら店主の正体がわからなくなった。

信じろといいながら信じなくてもいいという。本当だといいながら信じてはいけないという。
よく、わからない。
「悩め若者よ~。」
年齢不詳の不審人物がそうのたまうとなんとなく頭にくる。
「店長が悩ませてるんでしょうが!若者なのは否定しませんがアンタは幾つなんです、そんなに歳が離れてるようにも見えませんけど」
「幾つだと思う?」
レンズの大きな銀縁の眼鏡、その下の容貌はよく見るとそこそこ整った顔立ちをしている。そんなに歳をとっているようにも見えないが、どうにも年経た老人のように見えるときもある。
「・・・三十か、四十か・・・そこらあたり」
とりあえず肌の艶から推測した年齢を口にする。店主はコーヒーを入れながら苦笑した。
「随分大雑把だねぇ。あながち外れてはいないけど」
「店長の言う事っていまいち本当かどうか判別しにくいんですよ・・・」
まるで、自分が人間だった時に会った、国の宰相のようだ。シェリダンは貴族にしてはかなりの数、下町関連で危ない目にあってきていた。更には、貴族としての意味でも危ない目にあってきていた。それゆえに人の顔色にはある程度鋭いつもりだったのだが、貴族としての顔で宰相に会った時は全く読めなかった。この店主はその宰相によく似ている。

カラン、カラン・・・

店のドアが開いた。
銃が突き出された。
「!」
紫電が銃を弾き飛ばした。
プレミアムフィルムが転がった。
「は・・・?」
シェリダンは相手を殺してはいない。銃を弾き飛ばしただけだ。なのになぜプレミアフィルムが転がっているのか。自分の横を見ると、妙なシルエットの銃があった。銃を握る、白い手袋に包まれた手、黒い袖、その腕の元の、なぜか超至近距離にある白い顔。
「しまった・・・ムービースターだったのか・・・殺しちゃったよ」
自分を盾にして後ろに隠れている店主を見て、シェリダンは瞬間的に堪忍袋の緒をぶっちぎった。
「きさま若白髪―――――!!!!!」
他に言葉が出なかったのもあるが、「人を盾にする奴があるか!」と続いた言葉より、「若白髪」の呼称の方に傷ついた顔をした店長がなんだかむかついて、「離れて下さい若白髪!」と再び繰り返した。
そう、危ない目にも遭っているし、盾にされる事に関しては別に、こういう場面ではむしろ当然だと思うのだが、シェリダンは思わずそう言ってしまっていた。
そう、別に怒るほどのものではないのだ。修羅場においては誰かを盾にして逃げるなどざらであるのだから。そう、別に否定する訳ではないのだ、「店主の盾」になるというのが果てしなくイヤだっただけで。
「ムービースターかー、まずったなー。誰からのさしがねかわからなくなっちゃった」
プレミアムフィルムを拾いあげて失敗したなーと呟く店主に、一瞬で頭が冷えたけれど。
「それで若白髪、なんですかソレは」
「若白髪」だけはイヤミたっぷりに言うシェリダンだった。
「若白髪って・・・ひどいよ、僕だって好きで白い髪なわけじゃないのに」
「好きで白い髪だったらそれはそれでまぁ・・・悪趣味ですねと言いますけど、その銃と、突然の襲撃に関する説明はないんですか?」
目にも止まらぬ速さの抜き撃ちと一発で命を奪う正確さ。並みの腕では、ない。
つーか自称魔術師なら銃じゃなくて魔術を使え。
「だってのんびりしてたら殺されるしね。シェリダン君は硫酸ぶっかけるのと銃を撃つの、どっちが早いと思ってるんだい?」
懐にしまう銃の歪なシルエットは、消音機がついているからだと、シェリダンは漸く気付いた。
「あー、しまったなー。ムービースター使ってくるとは・・・殺しちゃったら誰のさしがねかもわかんないし証拠も残らないからか・・・うーん」
「店長」
銃の説明は受けた。納得はしてないが聞いた。が、その銃を持つ根本の理由、襲撃に関することは?
「ちょっとね、昔あっちこっちで個人的な恨みを買ってしまってね。襲撃があるたびちまちま潰してきたんだけど、ムービースターだと死んじゃうと手がかりが何も残らないだろ?どこの誰が仕掛けてきたんだかわからなくてさ、あー、どうしよう」
「つまり自業自得ですか」
「枢機卿に催眠術かけて逃げてきただけだよ、失敬な。あとは、どっかのマフィアの愛人に媚薬ですよーって言って魔法薬あげたりとか、経済界の×××氏に簡単な魔術を試してみたりとか」
「自業自得だろうが!」
とにかく、後日再び襲撃があるのは確実なようだった。


途中で気力が尽きました・・・・・!中途半端ですみません(土下座)

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