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螺旋特急ロストレイルに登録しているキャラクター背後のブログです
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あかいゆめなのに何故ブログは青っぽいのかと聞かれて詰まってしまったどうしようもない生き物。色は青の方が好きなのです。
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死神ダストは基本的にいつでも飢えている。死者の魂を喰らうのが行動の全てと言っても過言ではないからだ。
今日も死神閣下は魂を喰いに銀幕市を廻る。
「あーれ神さんや、まーた来たんかい」
魂ならなんでも喰う死神は、動物でも植物でも虫でも魂の沢山飛んでいる場所へ行く。
この場合、庭の手入れを老後の生きがいにしているおばあちゃん(78歳)だ。庭の草むしり、害虫退治など、おばあちゃんは自分の美しい庭を壊すものを許さない。
抜かれた雑草の山から抜け出した魂を、死神は無造作に口に放り込む。
「幽霊なんてよく食べられるねえ、お腹壊さないの?」
「ヒーハハハ、お久しブリなオバチャングッモーニーン!今日も地道に魂摘んでくれてありがとうよォケケケケッ!おかげさまさまでオイラのご主人サマはブッ倒れなくて済むってスンポーさキヒヒヒ!」
「あんたもまーよーく喋るわねーぇ。きっと口から生まれてきたんだわね」
「あーァ、本日は毛虫の成敗を行ったようで毛虫の魂が彷徨ってるぜオバチャーン。歴戦の猛者ならぬ毛虫にとっての恐怖の権化じゃねーかァヒーヒヒ!」
会話が成立しているようで成立していないやりとりを尻目に、ダストはその場に飛び交う魂を次々喰っていく。
「あーなんかやっぱり神さんが来ると空気が良くなるねー」
肩こりも軽くなった気がするしウチの庭も輝いて見えるわー、と言うおばあちゃんは、決してダストのしていることを理解してはいないだろう。エネルギーの塊である魂を喰らって、その記憶や人格を切り離し、エネルギーだけにして世界へ還元していることなど。その結果、「世界」という空間の含有する生命力が上がり、それがほんの僅か、植物や動物、その場の空気に影響を与えていることなど。
知るべくもないのだ。
しかし、彼女は死神が訪れたことによる空気の変化を、敏感に感じ取っていた。年の功、などと言ったら怒るだろうが。
「ヒーヒヒヒ!そんなコト言った人間はオバチャンが最初だァなァ全くよォオールドレィディにゃ頭が上がんねェってかァカハハハハハ!須く人間ってのァ鈍いもんさァヒーヒ!オバチャンの魂喰らう時が楽しみになって来やがったぜェ死神サマ!ヒャーハハハブラザーにとられねェよう気ィつけなァ!」
その場に漂う魂を喰らい尽くし、別の場所に移ろうとする死神に、老女は草むしりの手を止めないまま言った。
「神さんが食べてくれるんなら、死ぬのだって怖くないやね」
その言葉に死神は答えもしなかったが、彼の背に背負われたされこうべは喋り続けていた。
「ヒハハハハ!オバチャンの魂は綺麗かァ?死ぬのが怖くねェなんて悟ったかトチ狂ったか二つに一つじゃねーのかァフヒヒヒ!ちなみに俺ァトチ狂ってる方に魂賭けるぜ!」
「悟った方に百魂」
「おォ?喋りやがったぜ死神陛下不吉な死神サマよォ!喋りやがったのは五日飛んで半日ぶりだろノド腐ってんじゃねェかと心配しちまったじゃねーかァン?ヒーヒヒッヒヒヒヒヒヒッヒヒ!マァイマスタ――――――が悟ってる方に賭けるんじゃ俺ァ下りらんねェなァやったろーじゃねーかベイビー!」
次に向かう先は、学校。


学校というのは、えてして霊が集まりやすい場である。
若者達のエネルギッシュで直接的な願望や感情が、溢れかえっているからだ。感情のコントロールを知らない少年少女たちの激しい感情は、とどまるところを知らない。
惹かれてきた霊―――魂を無造作に喰らいつつ、ダストは理科室の方を向いた。理科室の中からカエルの魂が出てくる。ちょうど解剖の授業だったらしい。これもやはり無造作に喰らう。
ちなみに思いっきり不法侵入なのだが、「極端なまでに意識に残らない」という特性を持つダストは、普通の職員や生徒の目に触れてもスルーされる。あのおばあちゃんのような例はひどく珍しいのだ。
それでもムービーファンなどの好奇心の強い者にはばっちり意識されてしまうようで、「敵襲!」と叫んだ女子生徒にバッキーを投げられたことはあったが、その後は特に手出しもされていない。

その裏にはいわゆる【見える人】が「あの人、校舎に憑いてた霊とか取ってくれてますよ」とか言ったため、「無償でお祓いをしてくれる人」みたいなポジションになったからという理由があるのだが、ダスト達は別に拒まれようが受け入れられようがどっちでも良かったので、知っても別段変わりはなかった。

「見ろ見ろ見ろォ!今日は大物がいるぜェクカカカカカカカッ!何処から来たんだかなァ?喰ってみりゃわかるけどよォ気になる所だぜなァゴーストバ○ター様よォケヒャハハハハハハッ!」
怨霊などにとってはダストは天敵だ。見つかった瞬間に喰われてしまうのだから。唯一喰われない方法があるのだが、それは学校では実現不可能だ。なぜなら、怨霊などよりずっと強い教師や生徒が揃っているのだから。

学校でひとしきり魂を喰った後、商店街へ赴く。魚や野菜や鶏の魂、そしてたまにチャバネの魂が彷徨っているからだ。そして商店街などを歩いていると、たまに除霊の手伝いを頼まれる。
怨霊などを憑かれた人から引き剥がすことはできても封印する力のない、未熟な除霊師とか拝み屋とか寺の坊さんとかに、ダストは結構名が知れているのだ。引き剥がした怨霊を喰ってくれる死神として。
そしてダストも、人に憑いたままの怨霊は喰えないため、一石二鳥。
そう、ダストから怨霊が逃れる道は、人にとりつくこと。人にとり憑いた霊は、生きている魂と重なって、ダストには手が出せない。ダストは死んだ生き物の魂を喰らうのであって、生きている者の魂を肉体から引き剥がして喰らう力は備わっていないからだ。例外が「鎌」を使った狩りだが、その場合生き物が数刻以内に確実に死ななければ、振るっても魂を刈り取ることはできない。
「ケケケッ、利害の一致ってのがこんなにピッタリ当てはまるモンはねーなァギャハハハハハハハハ!ムービースターはオメー喰えねえしよォ、同じ魔法から出来てんのに妙なこったなァ?」
死神は応えない。

死神は生物ではないとはいえ、休息を取る必要はある。
システムの整備というのが正しいかもしれないが、一日に喰らった魂の記憶・人格を圧縮して体内に融かすのだ。以前は五時間ほどの休息を取る必要があったが、魂を喰う量が少ない今は三時間前後である。
息継ぎもせず喋り続け笑い続けるされこうべが黙るのもこの時間で、人通りの無いところに無言で佇む死神は、なんというか、「意識できる者」にとっては不気味極まりない。立ったまま寝ているとなれば尚更で、そのままそっと通り過ぎていく者、声をかける者、そして親切なことに家に泊めると言う者もいる。
しかしこの時、普段喋り捲っているはずのされこうべは沈黙し、そして滅多に口を開くことのないダスト。
無言を貫き通され、撃沈していく者がほとんど。
他の者から見れば退屈に過ぎる活動をダストは今まで行ってきたし、これからもそうするつもりだ。
死神の一日は、こうして終わっていくのである。



風邪気味で熱があって頭がボーっとしてまして、ちょっとかなりダメダメな文章になった気がします。語りきれなかったとでも言うのでしょうか・・・。
精進します。
と、その前に風邪を治します。
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