忍者ブログ
螺旋特急ロストレイルに登録しているキャラクター背後のブログです
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[07/28 黒木さんの中の人]
[05/10 黒木さんの中の人]
[12/04 ティモネ背後]
[07/28 ピエロ背後こと梅屋]
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
赤夢
性別:
非公開
職業:
塗装業
趣味:
物書きと読書と映画
自己紹介:
あかいゆめなのに何故ブログは青っぽいのかと聞かれて詰まってしまったどうしようもない生き物。色は青の方が好きなのです。
バーコード
ブログ内検索
カウンター
[ 140 ] [ 139 ] [ 138 ] [ 137 ] [ 136 ] [ 135 ] [ 134 ] [ 133 ] [ 132 ] [ 131 ] [ 129 ]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

残酷・流血描写注意報です。
シリアス・・・

「じゃ手筈どおりで」
「いや、俺はやっぱりこっちがいい」
「ふざけんなてめぇ犬の糞になりてぇか」
「冗談。それならトスッカ・ビーチで腹上死するね」
「あそこに通ってんのかよ、色キチが」
「残念ながら女王様たちに興味は無くてね。知り合いの宇宙人気取りの馬鹿野郎が通いつめて内臓2ケ落っことしてきやがった」
「良かったじゃねぇか、2ケで済んで」
「ま、概ね五体満足だったしな。目玉とか手足とかとられなくてよかっただと」
「ハッ、当然だろ。それだけですめば掘り出し物だぜ。ラッキーデイだったんじゃねーの」
「―――だな。じゃ、俺はこっちで」
「待てコラ」
「じゃコインで」
「しゃーねーな・・・貸しひとつな」
「けちくさいこと言うな」
ピンっと弾かれたコインが手の中をすり抜け、腕に落ちる。
「表」
「裏」
コインは表だった。
「・・・俺の勝ちだな。じゃ、手筈どおり行ってこい」
結局、最初の手筈どおりに行く事になったはずだったが、しかし、そこでDDの大きな耳がピクリと動いた。
「待て」
「何だ」
「・・・やっぱ俺がこっちに行く。アーティ連れてけ」
小さな発光体が心配するようにDDの周囲を飛び回る。
「・・・わかった。お前が死んだら相棒は貰うぞ?」
深くは聞かずに軽口を叩く男に、DDはニヤリと笑った。
「アンタもな。アーティが逃げはじめたらすぐに逃げねぇと後が無いぜ」


何かが転がる音にマシンガンを持った見張りは「ん」とそちらをむいた。
それは、空き缶のように見えて。
「・・・!閃、光弾・・・!?」
恐ろしく強い白熱した光が見張り三人の目を焼いた。その中を、黒いゴーグルで目を覆った二人の男が飛び込んできたことに、次の瞬間には意識を途絶えさせてた男達には何もわからなかった。
「殺しといた方がいいか?」
「弾の無駄だろ。大体、こいつらが起きるころにはもう終わってる」
「じゃ」「ああ」
さっと二手に分かれた二人の行く手には、電源の落ちた暗い通路があった。


金属を叩く硬い靴音。生来の異形のためとはいえ、DDは隠密行動に向いていないのだ。
銃弾すらはじきかえす、踵からアキレス腱を覆う甲殻に助かっていることも確かなのだが。
ぴくっとコウモリのような大きな耳が物音を捉えた。
跳躍。
すぐ下を銃弾が通り過ぎていく音がする。くるりと半回転して天井に着地し、DDはそのまま天井を蹴って刃を一閃した。暗視ゴーグルをつけた頭が凍り付いてごとりと落ち、踵落としをくらって頭蓋を割った男もばたりと倒れた。刀に眉間を貫かれた男は、刀を抜かれた途端額から血を吹き出して倒れた。
ギィン!
風切音を聞き取り、振った刀に銃弾が跳ね返った。
「便利屋、DD・・・厄介な」
向こう側で誰かが呟くのが聞こえた。
バレたか。
DDは小さく舌打ちした。これまでほとんど奇襲で乗り切ってきたが、そう上手くコトが運んではくれないようだ。
おまけにこの音。
「ロケットランチャーなんか室内で出す奴があるかよ・・・」
ぼやいたDDは既に物陰に隠れている。
DDのコウモリ並みに高性能な耳は、音の反射から室内の様子を正確に把握していた。
DDは刀を素早く鞘に収め、腰のオートマチックを手に取った。残弾を確認し、弾倉を入れる。
「1、にィの・・・」
大きな音がして床が陥没した。DDの跳躍力があまりに強すぎたせいだ。弾丸のように飛び出したDDは向かい側の壁に着地すると同時に銃の引き金を引いた。
着弾音。
爆発。
その時にはもう、DDは元の物陰に飛び込んでいた。暗闇に爆発の赤い炎が燃え上がる。
ロケットランチャーを撃ち、爆発させたDDは、耳を塞いでいた手を離して様子を窺った。至近距離での爆音は耳がイカレてしまうのだ。
荒い呼吸音がいくつか。悪態をついている。布の擦れる音。動けるものがいるらしい。立てはしないようだが。DDは無言で立ち上がり、近くに転がってきていた銃を拾った。
硬い靴音がDDの足元から響く。意識のある者には死神の足音に聞こえただろう。暗視ゴーグルを調節し、肉眼で男達を確認する。冷静に引き金を引いた。
「騒ぐなよ。騒がなければ殺さない」
もう助からない男を楽にしてやりながら、わざと無感情に宣告する。男達は震え上がって沈黙した。DDは肩を竦めて適当に男達を縛ると、さっさと奥に進んだ。
時間は貴重だ。


そのころ、アーテミシアは。

光のリボンとなって「金庫」のキーロックに侵入していた。
銃声がひっきりなしに鳴る。
「妖精さん、あとどれくらいだ!?」
応戦しながらアーティと一緒に来た男が問う。
【30秒】
「金庫」についているスピーカーから音声が流れた。
「30秒!DDはちゃんと陽動してるのか・・・!?」
【彼は今、首領のところへ】
「・・・よりによって一番警備の厚いところへ行ったな。死ぬ気か?」
【効果的な陽動。こちらが交戦中なら、ここよりも重要なポストを襲撃すれば戦力を分散できる】
「ああ、やっぱり見つかったのは不味かったな。生きて帰れればいいが」
【元はあなたのミス。がんばって】
男は拗ねたように片目を眇めた。
「はいはい、お姫様の言うとおりだよ「がんばる」さ」
PR
Comment
Name
Title
Font Color
Mail
URL
Comment
Password
Trackback
Trackback URL:

Copyright © あかいゆめに酔え All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog 
忍者ブログ [PR]