螺旋特急ロストレイルに登録しているキャラクター背後のブログです
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唆されたのでうっかり公開、へタレ迷子SS!
ホント最近誘惑(?)されなくちゃ何もしないや!
「・・・何処に行ったんだろう」
へタレヴィクターは黒木邸の中を使い魔を探して歩いていた。
普通契約した使い魔の居場所くらいわかりそうなものだが、彼の探している使い魔、通称へたいまはまだ幼く、きちんと成犬になってから契約を結ぶかどうか決める方がいいだろう、というヴィクターの生真面目な思考からまだ契約をしていないのだ。
知り合いの魔女から譲り受けた子犬(一応魔物である)だが、主人というよりは保護者思考になってしまっていることにヴィクターは気付いていない。
ともかくも、あと数時間で夜が終わる。
「急いだ方が良いですか・・・ね」
ヴィクターはバさりとそのシルエットを崩した。
爆発的な数の蝙蝠が羽音を立てて通路に広がっていく。
一匹一匹の視界がへたいまの姿を探して忙しなく動く。
捜索の手を黒木邸の3分の1に広げたとき、地下階でのんきに眠るへたいまを発見した。
すぐさまその場所に蝙蝠が集まり、人の形を成す。
ぷすぴーと気の抜けるような寝息を立てて眠るもこもこもふもふの毛並みをそっと拾い上げ、懐に入れた。
心地良さそうに鼻を鳴らすのをほっとした顔で眺め、ふと顔を上げる。入り組んだ地下に迷って合流できなかった蝙蝠が数匹いるようだ。気配を頼りに歩き始めながら、ヴィクターは蝙蝠の視界をフルに使って道を探る。
結果。
「・・・・・・・・・・・・何処だろう・・・・・・」
現在地:不明。
がっくり膝をついて落ち込みたい衝動に駆られながら、ヴィクターは自分の分身の気配のみを頼りに、闇の中に歩を進めるのだった。
ようやく自分の分身を探し出したは良いものの、ヴィクターと蝙蝠の間には厳然たる壁が存在していた。厚さ一メールほどの、分厚い壁が。
とはいえ、
「霧になればいいんですけどね」
霧なった蝙蝠たちがほんの僅かな隙間から少しずつ少しずつ帰還する。
「さて、戻ります・・・か・・・」
ここは何処だろう。
気配のみを追っていたため道順などすっかり頭から抜け落ちていたヴィクターは、ばっちり迷子になっていたのだった。
それからヴィクターの奮闘が始まった。
へたいまを抱いているため霧化が出来ず、徒歩でうろうろと真の闇の中をさ迷い歩く。
時折蝙蝠を飛ばして先を探ってみるが、その蝙蝠が迷子になって本体のヴィクターに帰れなくなる始末。
一度などはようやく出口にたどり着いたのだが、いつの間にか眼鏡がなくなっていることに気付いて慌て、走ったせいで壁に頭をぶつけて悶絶しているヴィクターは、そもそもその出口付近に眼鏡が落ちていることに気付かずに迷路に立ち戻り・・・。
せめてへたいまだけでも出口に置いてくれば、たとえ迷っても自身は霧化して脱出することが出来たのだが。
後でそのことに気付いて思わず体育座りで落ち込みそうになったへタレヴィクターを動かしたのは、遠くの方で鳴った物音。すわ「誰か居るのか!?」と喜ぶより先に「オバケ!?」とビビってしまったあたりもうなんか駄目だ。
数日後、ずっと地下でうろついているヴィクターの気配が気になった屋敷の主人が、途中で拾ったヴィクターの分身蝙蝠(号泣)をへばりつかせて迎えに来るまで、彼はずっと迷子になっていたのだった・・・・・・
普通契約した使い魔の居場所くらいわかりそうなものだが、彼の探している使い魔、通称へたいまはまだ幼く、きちんと成犬になってから契約を結ぶかどうか決める方がいいだろう、というヴィクターの生真面目な思考からまだ契約をしていないのだ。
知り合いの魔女から譲り受けた子犬(一応魔物である)だが、主人というよりは保護者思考になってしまっていることにヴィクターは気付いていない。
ともかくも、あと数時間で夜が終わる。
「急いだ方が良いですか・・・ね」
ヴィクターはバさりとそのシルエットを崩した。
爆発的な数の蝙蝠が羽音を立てて通路に広がっていく。
一匹一匹の視界がへたいまの姿を探して忙しなく動く。
捜索の手を黒木邸の3分の1に広げたとき、地下階でのんきに眠るへたいまを発見した。
すぐさまその場所に蝙蝠が集まり、人の形を成す。
ぷすぴーと気の抜けるような寝息を立てて眠るもこもこもふもふの毛並みをそっと拾い上げ、懐に入れた。
心地良さそうに鼻を鳴らすのをほっとした顔で眺め、ふと顔を上げる。入り組んだ地下に迷って合流できなかった蝙蝠が数匹いるようだ。気配を頼りに歩き始めながら、ヴィクターは蝙蝠の視界をフルに使って道を探る。
結果。
「・・・・・・・・・・・・何処だろう・・・・・・」
現在地:不明。
がっくり膝をついて落ち込みたい衝動に駆られながら、ヴィクターは自分の分身の気配のみを頼りに、闇の中に歩を進めるのだった。
ようやく自分の分身を探し出したは良いものの、ヴィクターと蝙蝠の間には厳然たる壁が存在していた。厚さ一メールほどの、分厚い壁が。
とはいえ、
「霧になればいいんですけどね」
霧なった蝙蝠たちがほんの僅かな隙間から少しずつ少しずつ帰還する。
「さて、戻ります・・・か・・・」
ここは何処だろう。
気配のみを追っていたため道順などすっかり頭から抜け落ちていたヴィクターは、ばっちり迷子になっていたのだった。
それからヴィクターの奮闘が始まった。
へたいまを抱いているため霧化が出来ず、徒歩でうろうろと真の闇の中をさ迷い歩く。
時折蝙蝠を飛ばして先を探ってみるが、その蝙蝠が迷子になって本体のヴィクターに帰れなくなる始末。
一度などはようやく出口にたどり着いたのだが、いつの間にか眼鏡がなくなっていることに気付いて慌て、走ったせいで壁に頭をぶつけて悶絶しているヴィクターは、そもそもその出口付近に眼鏡が落ちていることに気付かずに迷路に立ち戻り・・・。
せめてへたいまだけでも出口に置いてくれば、たとえ迷っても自身は霧化して脱出することが出来たのだが。
後でそのことに気付いて思わず体育座りで落ち込みそうになった
数日後、ずっと地下でうろついているヴィクターの気配が気になった屋敷の主人が、途中で拾ったヴィクターの分身蝙蝠(号泣)をへばりつかせて迎えに来るまで、彼はずっと迷子になっていたのだった・・・・・・
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