螺旋特急ロストレイルに登録しているキャラクター背後のブログです
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赤夢
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物書きと読書と映画
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あかいゆめなのに何故ブログは青っぽいのかと聞かれて詰まってしまったどうしようもない生き物。色は青の方が好きなのです。
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別名へタレのオヤツの時間。
面白くもなく何の変哲もない吸血鬼の御食事場面です。
面白くもなく何の変哲もない吸血鬼の御食事場面です。
何度も何度も、その命の流れる脈を探るように口付けを落とす。
微かな衣擦れと息遣いが夜の空気に密やかに流れていく。
仰け反ったその白い首筋に、ゆっくりと鋭い犬歯が食い込んだ。
ぷつりと待ち望んだ感触がして、女はあぁ、と恍惚めいた溜め息を零した。
ピチャリ
三日月の細い光が照らす空間を濡れた音が静かに侵し、女のかすれた喘ぎが廃墟に響く。
牙がゆっくりと抜かれ、傷口に滲んだ血を尖った舌が僅かの美味も残さぬとばかりに舐めとる。仕上げのように二つの【証】にキスを落として身を離す彼に、女は名残惜しげな甘えた仕草で首筋へのキスをねだる。
「ごちそうさま。もう充分です」
その言葉と紅く妖しく光る瞳に見据えられ、女の顔からストンと表情が抜け落ちた。
「蝙蝠を2,3匹供につけますから、真っ直ぐ家に帰ってください」
夢うつつで頷いた女はどこかふわふわとした足取りで踵を返す。それを見送って、彼は溜め息をついた。
その身体が一瞬で蝙蝠の群れに変わり空へ飛び散る。
キィキィ キィ キィ
キィ キィキィ キィ
―――細い三日月が嘲笑うように世界を見下ろしていた。
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