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螺旋特急ロストレイルに登録しているキャラクター背後のブログです
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あかいゆめなのに何故ブログは青っぽいのかと聞かれて詰まってしまったどうしようもない生き物。色は青の方が好きなのです。
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ほとんどバトル・・・?


DDは縦横無尽に室内を駆け回っていた。天井に壁に、重力など関係なしに着地しては藍色の双刀を振るう。
銃やナイフなどを肩ごと斬り落とされ、彼らは絶叫した。
「っとに耳いてぇっての」
しかし、これが敵を呼び寄せる。
陽動の為には「手強い敵がいる」と知らしめ、駒を自分に集めなければならない。
「!」
DDは唐突に耳をそばだてた。
うるさい男たちを蹴り飛ばして沈黙させ、上を向く。
「・・・・・・・・」
頭上から重低音が響いてくる。エンジンの唸る音と、重いものが床に降ろされる音が規則的に聞こえてくる。
これは―――足音だ。
DDは事前に仕入れた情報を思い起こし、舌打ちした。
「”重装歩兵”・・・!」
あれがでてきたら一気に状況が悪くなる。DDは弾かれたように走り出した。
手首のインカムを操作し、アーテミシアに離脱の旨を伝える。途中で出くわした男を容赦なく殴り飛ばしながら走る。階段など手摺を乗り越えて一気に飛び降り、数分も経たないうちにアーティと仮相棒の元へ到着した。
「何やってんだ、こっちは隠密の筈だろ!?何で銃撃戦になってんだ!」
「オレがミスしたんだ!そんなのどうでもいい、重装歩兵が来るって!?」
「たぶんな!今すぐ離脱できるか?」
「こっちは終わった。後は逃げるだけだ」
DDはちらりとアーティを見た。アーテミシアは答えるようにDDの懐に潜り込んだ。時間がないということは彼女もわかっているからだ。
「今日はお荷物がいるからちっとキツイかもな」
「悪かったなお荷物で。そこらへんも考慮して雇われたんだろう」
「ま、な。仕事はキッチリやるさ、信用に関わるからな」
DDは不敵に笑い、急にがっと彼を担ぎ上げて床を蹴った。
轟音。
「ハハッ、きやがった!」
軽快に笑って、DDは壁を蹴った。
【重装歩兵】それは積層装甲に、ミサイルやレーザーを腐るほど搭載し、ガトリングガンを標準装備とする。電磁ロッドなどの肉弾戦主体の装備もあるのだが、その一撃をまともに食らったら、生物は例外なく潰されて死ぬだろう。その総重量は3トンにも及び、人工筋肉の補助により操縦者が重量を感じることはないが、周囲にとってはその3メートルを越す大きさと重量だけで充分な脅威である。とはいえ、3メートルというのはまだ小型の方なのだが。
「流石都市西部の一角を取り仕切るだけあるな。あんな無駄遣いに金を注ぎ込むとは」
「護身用に軍の機密兵器を買う馬鹿だ、さぞ金が有り余ってるんだろーよ。黙ってねーと舌噛むぜ!」
装備込みで80キロ以上の男一人を肩に担ぎ上げ、近くの窓に突っ込む。後を追うようにミサイルが背後で爆発し、2人と1匹は見えなくなった。
男たちから歓声が上がり、重装歩兵のサーチシステムは2人の死体を捜す。
舞い上がる粉塵の中、視界は無いに等しい。塵などものともせずに周囲の状況をサーチするセンサも、少しばかり具合が悪いようだ。
キュイン、と動くセンサが銃弾に抉られた。
寸前に捕捉した人影の方にガトリングガンを向ける。
「くたばれ」
低い声をセンサが拾った時には、その装甲の隙間から突き込まれた刃が操縦者の首を貫き、頭部を凍結させた。
重装歩兵の上に立ち上がったDDに周囲の男たちが銃を構えようとする頃には、彼の姿は消えていた。


★★★

「おい、もう少しスピード落としても良いんじゃないのか?」
「バカ言えよ、あそこは衛星も一部使ってんだぜ。さっさと地下に潜らないと大気圏外から燃やされる」
「・・・そんな情報は聞いてない」
「お空からレーザーが降ってくるなんて聞いたら誰もやんねーよ、こんな依頼」
「・・・それでやたらギャラが高いワケか。強請りとったな、DD」
「この情報も知らなかったくせにオレと同じギャラを強請りとったアンタに言われたかねーな」
「搦め手は得意でね」
「はン」
地下の廃材の隙間を縦横無尽に駆けながら、DDは器用に肩を竦めて笑った。
「アーティ、そろそろか」
アーテミシアがDDの懐に入ったまま、立体映像で何かの表を映し出す。
「・・・ちょっと待て。ここは確か・・・」
仮相棒が嫌な予感にかられて呻き声を上げた。
「ご名答。タダ乗りだっ!」
凄まじい轟音と共に足下を走り抜けていくモノレールに向かってDDが飛ぶ。
「っおおおおおおおおおおおおおお!?」
悲鳴のような声をあげる仮相棒を担いだまま、DDはモノレールの上に着地した。
「お・・・、お・・・っ、お前頭イカレてるのか!?時速1200キロのモノレールに飛びのるだと!?」
風速で千切られそうな身体をハッチに押し込み、自分も入ったところで入ったところでDDは答えた。
「残念ながら正気でね。生きてたんだしいーだろーが」
「次やる時は先に言え!そうでなければ尻をローストして豚に食わせてやる!」
「肝に銘じておくさ、イカレてなけりゃな」
傍らではアーテミシアがシステムに侵入して細工を施している。
「?アーティ、ちょっと貸してみろ」
小さなコントロールパネルを取り出してシステムに繋ぎ、ピアノを弾くように手を動かす。
ピッ
システムの防壁が破られ、アーテミシアが乗客名簿を操作した。
「なるほど。相棒の妖精さんに細かいことは任せてるのかと思ったが・・・本人もスペシャリストか。」
「今のご時世、一芸だけじゃ生きていけないんでね」
鼻で笑ってコントロールパネルをしまうDDに、圧縮カプセルから取り出した衣服を投げる。
「ここから先が俺の担当だ。【演技派】のな」
黒髪を撫でつけて手早く礼服を着込んだ仮相棒、”貴族”の異名を持つ詐欺師は優雅に笑った。

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